Formula-SAE

1.Formula SAE の歴史

「Formula SAE」とは、米国自動車技術会(The Society of Automotive Engineering)が主催している競技会の事です。
学生のみで組織されたチームがフォーミュラ・スタイルのレーシングマシンを製作し、その設計・製作能力と車両の性能を競うというものです。
この競技会の前身は、1978年に当時盛んであったオフロードバギーの製作競技をオンロード版にして始まった「mini-indy」というものです。当初、わずか5HPのエンジンを搭載したレースの企画を数年後に一新し、全米共通の競技としてSAEが1981年から開催されました。

2.全日本学生フォーミュラー大会について

将来の日本の産業界を担う技術者育成の手段として、また米国で学生向けに行われている「Formula SAE(R)」の日本版として、『全日本 学生フォーミュラ大会―ものづくり・デザインコンペティション―』を自動車技術会が主催し2003年度から毎年開催されました。
次世代の自動車関連産業に携わる世界に通用する技術者の育成とその育成のための土壌づくりに寄与することを最大の狙いとした社会貢献活動です。

3.競技理念

Formula SAE の競技理念は、レースの勝敗だけではなく、レースに至る全プロセス(学生の設計技術、製作能力、発表能力、プロジェクト管理能力など)が評価対象であり、もの作りの楽しさと難しさを体験させ、自ら考え、問題を解決していく能力を養う点にあります。
そのため、車両設計に関する諸規定は、できるだけ設計者の独創性をマシンに盛り込めるように主に安全面に限定されており、様々なアイディアを具体的なひとつの「もの」としてまとめ上げる力量が発揮できるようになっています。
また、学生はスポンサー企業の方々と交流する事で、折衡能力を養う機会を得る事ができます。

4.競技概要

Formula SAE  の競技車両はレギュレーションにおいて、米国内で盛んに行なわれているアマチュア週末レース用のプロトタイプ車両を限られた予算内(300万円以下)で試作することを想定されています。
この条件の中で独創性を発揮し、競技車両として高い運動性能を得る事が要求されます。
また、安全性、コスト、整備製、商品性、なども加味されて評価が下され、以下のカテゴリーの総合審査によって最終成績が定められます。
なお、車両は毎年新規に1台制作することが基本で、同じ車両で継続参加の場合は、設計などで大幅な車両改造がないと認められないという厳しいものになっています。


静的競技 デザインイベント 設計の優秀度を評価。設計のコンセプトも評価対象。 150点
コストイベント 製作費を分析し、評価する。マネージメント管理能力が試される。 100点
プレゼンテーション 車両の開発コンセプトやコストについてのアピール能力を評価。 75点
車検 車検を通過したチームのみが動的競技に参加できる。
動的競技 アクセラレーション 車両の加速性能を評価。

75点

スキッドパッド 車両の旋回性能を評価。 50点
オートクロス 一周約950mのコースのタイムによって車両の動力性能を評価する。 150点
エンデュランス 車両の耐久性能及び燃料消費性能を評価。 300点
燃費 エンデュランス中の使用した燃料の消費量を評価 100点
合計得点 1000点